秩父は昨日も激しい雷雨でしたが、雨上がりにはとても涼しくなりました。夕方までに気温が下がると睡眠の質が上がりますね。
本日は「汗」についての話題です。
汗をかくことって、現代ではネガティブに受け止められることが多いと思いませんか?
汗臭い、ベタベタする、恥ずかしい、etc…
「汗をかかないサラサラお肌が最高」くらいに考えられている人もいらっしゃるでしょうか。
ちょっと待ってください。汗には大切な役割があります。
汗の役割
西洋医学的な役割については詳しい情報が溢れていますので、今回は中医学的な視点からお伝えします。
汗の役割は大きく分けて次の2つです。
- 体内の「不要なもの」を排泄する。
- 体の表面に潤いと栄養を与える。
少し詳しく見てみましょう。
① 体内の「不要なもの」を排泄する。
体内で生まれた老廃物は外に排泄されますが、そのルートについて考えてみたことはありますか?
- 尿
- 大便
- 鼻水、痰
- 息
- 経血、おりもの
そして「汗」です。皮脂も同様です。
毎日様々なものを体内に取り込んでいる人間ですが、排出ルートはこのくらいしかないのです。
中医学の「老廃物」には、代謝で生まれた物質だけではなく、余計な「熱」、外から侵入した病原体やアレルゲンなども含みます。
汗を止めると、「老廃物」の排泄ルートを一つ塞いでしまうことになります。
ちなみに、汗がベタベタする、悪臭がする、ということはそれだけ「老廃物」が溜まっている、そして体が頑張って排泄しようとしている、と考えることもできます。
汗を止めるのではなく、老廃物が溜まりにくい体作りを目指していけば良いのです。
② 体の表面に栄養と潤いを与える
汗は皮脂とともに、皮膚をしっとり潤い豊かにします。汗をかけない疾患を持つと、肌が乾燥することがあります。
「栄養」と書きましたが、抗菌作用により皮膚の常在菌バランスを整える作用があると考えられています。そして肌を外界から守るバリア機能の一翼を担います。中医学的に言えば、皮膚表面に「衛気」を供給するのに役立ちます。
適度に汗をかきましょう
暑い時は汗をかく。運動した時には汗をかく。
これはいたって正常な反応です。体内で生まれた熱を排泄するためには必須です。一緒にさまざまな「老廃物」も排泄されるので一石二鳥です。
そして「体温が下がれば汗が止まる」ということも必要です。
汗は水分やミネラルなど、体にとって必要なものも一緒に排泄しています。必要がないのにダラダラ汗をかいてしまう人、ホットフラッシュや寝汗の多い方は、汗にブレーキをかけられるよう、生活習慣の見直しや、漢方薬の服用を検討しても良いでしょう。
いずれにしても、汗をかくことは美と健康のために大切なことです。
汗の性質には内蔵の状態が表れると言っても過言ではありません。汗をかくことに不快感を感じる場合は、汗を止めることだけに執着するのではなく、多角的な視点から心身の状態を省みることをお勧めします。