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熱中症と中医学

秩父周辺にお住まいの方なら分かると思いますが、昨晩の雷雨は稀に見る激しさでしたね。360度あちらこちらに雷が落ちているような感覚。Yahoo!天気の雨雲レーダーが大変なことになっていました。

本日も夏本番を思わせる蒸し暑さ。この時期は最も熱中症が増えやすい時期なので、他人事と思わずに警戒して過ごしましょう。

熱中症は、中医学の中にも登場します。暑気あたりという言葉がありますが、中医学では「暑邪(しょじゃ)」と呼ばれる邪気が身体に侵入した状態が熱中症にあたります。

暑邪がカラダを犯すと、体内に熱がこもり、汗腺が開き、水分(津液)がものすごい勢いで消耗されます。

  • 暑がる。
  • 汗を大量にかく。
  • 喉が渇き、水を飲みたくなる。
  • 元気がなくなる。
  • 発熱する。

気温の高い環境でこれらの症状が現れたら、すでに「暑邪」の影響を受けています。

長時間トイレに行くこともなく、「あっちぃ〜」と言いながら汗をダラダラかいて水をグビグビ飲む状態になったら、熱中症に陥る一歩手前かもしれません。

熱で水分を消耗する暑邪に負けにくい体を作るためには、あらかじめ使える水分で体をたっぷり潤しておくこと。熱がこもりにくい体質を作り上げておくこと。

  • 早寝早起き、十分な睡眠時間を確保する。
  • 胃腸に負担をかけない範囲で、栄養のあるものをしっかり食べる。
  • 乾燥傾向の人は、潤い(津液、陰血)を補う漢方薬でケアしておく。

これらのことは、夏を通じて心がけましょう。

いざ暑さで体調を崩してしまったら、潤いを補うだけでは不十分です。この時は石膏や茵陳蒿などの生薬が含まれる漢方薬で、熱をしっかり冷ましてあげることが必要です。

熱を冷まして排出する性質があると考えられているスイカやキュウリ、トマトやナス、トウモロコシなどの夏野菜も、積極的に食べることをお勧めします。

暑くなる前には潤いを補っておく。

暑くなってきたら熱を冷ましながら潤いを補う。

この2本柱で、今年の夏も元気に乗り切っていきましょう。

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