11月中旬になり、急に寒くなりました。
今年は先日まで暖かい日が続いていたこともあり、急な寒さが身に沁みます。これからの冬本番に向けて、一日も早く心身を整えていきたいところです。
「周りの人よりも寒さに弱い」「職場や家が寒くて辛い…」という方は、漢方薬で内側からポカポカしてみてはいかがでしょうか?
本日はカラダを温める生薬をいくつかご紹介します。香りを想像すれば、少しだけ温まる…かも??
桂皮(けいひ)
クスノキ科ケイの樹皮です。
シナモン、ニッキといった方が分かりやすいかもしれません。
産地により香りや含有成分が異なると言われています。当薬局の自家製剤では主にベトナム産や中国産を使用しています。
血行を促進し、全身を温めます。(十全大補湯、八味地黄丸、当帰四逆湯などに配合)
乾姜(かんきょう)
ショウガ科ショウガの根草。
薬味で使うショウガを蒸して乾燥させたものです。
中国では加熱せずに乾燥させただけのショウガを乾姜と呼び、どういうわけか日本と中国では加工方法が異なっています。生のショウガと乾燥ショウガでは含有成分が変化するため、使い分けが必要です。
全身を温めるというよりは、主に脾胃や肺の冷えに使います。(人参湯、大建中湯、小青竜湯などに配合)
呉茱萸(ごしゅゆ)
ミカン科ゴシュユの未成熟果実です。
ミカンと同じ柑橘類なので豊富な精油を含み、強烈な香りを放ちます。味は苦いです。
脾胃や肝などを温め、痛みを鎮める作用、吐き気を抑える作用などを持ち合わせます。(温経湯、呉茱萸湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などに配合)
当帰(とうき)
セリ科トウキの根です。
「血」を補う生薬として多用されますが、性質は「温」で身体を温める性質を併せもち、特に冷え傾向の人は使いやすい生薬です。
「血」の流れをスムーズにし、月経調整や生理痛の緩和などに働くため女性に多用される生薬の一つです。もちろん男性にも使用します(四物湯、当帰芍薬散、逍遙散、補中益気湯などに配合)。
体質に合った組み合わせを
以上、紹介したのは体を温める生薬のごく一部です。まだまだ多くの種類の生薬があるため、漢方相談の中などで必要に応じてご紹介していきます。
一口に体を温める生薬と言っても種類は様々。効き方や性質、温める場所などは生薬によって変わってきます。
漢方相談では、冷えの感じ方やその他の全身症状を伺った上で、お一人お一人におすすめ配合の漢方薬をご紹介していきます。
漢方薬のおすすめは、体質改善の段階によっても徐々に変わります。冷えが軽いうちにお早めのご相談をお勧めいたします。