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中医学でみるカラダ(五臓と六腑)

先の記事に記載したとおり、中医学で人体は「気・血・津液」といった3つの物質を中心として成り立っていると考えます。

現代医学で人体を「水、タンパク質、炭水化物…」と分けていくのと同じような考え方と述べました。

西洋医学では人体を臓器別にも分けて考えます。脳、心臓、胃、大腸、腎臓…などといった具合にです。

中医学でも人体を内蔵別に分けて考えます。

ただし、それは西洋医学と比べて極めて大雑把です。

中医学では五臓六腑といい、主な内臓を11種類に分けて考えます。

五臓・・・肝、心、脾、肺、腎(他に「心包」もあります)

六腑・・・胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦(さんしょう)

といった具合です。

西洋医学で考える内蔵に比べるとシンプルです。

「脳がない」「膵臓は?」「甲状腺は?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、漢方薬を使っていくうえではこのようなシンプルな考え方でも十分なのです。

ただし、肝≠肝臓、心≠心臓です。その他の臓腑も同様です。

例えば心(しん)。

誰もが知っているように、心臓は全身に血液を巡らせるポンプの働きをします。

ところが中医学の「心」は、心臓のように血を全身に巡らせる働きはもちろんありますが、思考活動なども担っていると考えます。

一部、脳の働きも含んだものとして考えます。

心の調子が乱れてくると、動悸など胸の症状が出るだけでなく、不安感が強まったり、夜眠れなくなったり、物忘れが出てきたりします。

逆に脳がストレスにさらされ精神の失調が起こると、動悸が出たり、過労による心臓病に繋がることがあるのは、多くの方が気づかれているかもしれません。

精神の失調に、心臓(心)の調子を整える漢方薬を使うことは少なくありません。

また「心」は「舌」に繋がっていて、心に異常が出ると舌の痛みや口内炎が起きることもあります。

これも心に効く漢方を使うことで改善できます。

荒唐無稽と言われる場合もありますが、1つの内蔵が無関係と思われていた機能を担っていることは、科学的にも徐々に明らかになってきており、大変興味深いところです。

個別の臓腑については折を見て、今後少しずつ記載していきたいと思います。

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