誰もが経験しているであろうイライラ感。物に当たったり、他人にきつい口調で当たったりしてしまうこと、ありませんか?
世の中からイライラ感を無くせたら、みんな笑顔で、どれだけ平和に暮らせるでしょうか?
中医学ではイライラ感も「体調不良の表れ」「病気の原因になりうるもの」として捉えます。
「我慢」がイライラにつながる。
イライラ感はどういう時に起こるのでしょうか?
「やりたいことがあるのに、できない状態」の時に「我慢」しているとイライラ感が起こります。いわゆるフラストレーションが溜まった状態です。
「職場の同僚が期待したような仕事をしてくれない」「本当はこういうことを言って欲しいのに、言ってくれない」「子供が言うことを聞いてくれない」「夫(妻)に家事をしてもらいたいのに、やってもらえない」
どれも「理想」と「現実」に開きがあって、それでも「期待」してしまう時だと思います。小さい物まで含めれば、「我慢」している方が大多数を占めるのではないでしょうか。
感情の分類の方法はいろいろとあるようですが、中医学ではイライラは「怒り」感情として捉えます。
“肝”は「怒り」をコントロールする臓器
中医学では、感情は種類に応じて、担当の”臓腑”がコントロールしていると考えます。脳で全ての感情をコントロールしていると考える西洋医学とは対照的です。「考えすぎると食欲がなくなる」「あまりにびっくりすると尿を漏らす」などといった現象から、感情を”臓腑”と結びつけた方が実用的だと昔の人は考えたのでしょう。
イライラは「怒り」感情として捉えます。五臓六腑のうち「怒り」を担当するのは”肝(かん)”とされています。外からのストレス刺激で、”肝”の気が滞ってくるとイライラが出てきます。
“気の停滞”は万病の元
“気の停滞”で起こる症状はイライラ感の他に、肩こり、頭痛、ゲップ、お腹にガスがたまる、張った痛み、生理痛など様々な症状となって現れます。長く続いたり、停滞が強くなると、めまい、けいれん、手の震え、うつ、脳梗塞、がんなど、重い病気の引き金にもなると考えられています。
現代医学でも過度なストレスは様々な病気のリスクを上げることが分かってきています。”肝”に目を向けてみると、解決のヒントが見えてくるかもしれません。
ストレス解消は、中医学観点からでも万病の予防につながるはずです。