当店で漢方相談を受けるにあたって、特に心がけている4つのことをご紹介します。
患者さん自身の目標を最優先にする。
誰でも最初は、漢方薬局の敷居をとても高く感じると思います。「こんなことを相談してもいいんだろうか?」と思いながらご来店される方も少なくありません。
自身やご家族の健康に関する相談であれば、どんな相談でもお受けします。例え些細なことであっても、病院などで匙を投げられた問題でも、患者さんに「こうなりたい」という強い希望がある限り、最後までしっかりと寄り添わせていただきます。
患者さんに「気づき」を与える。
「症状を改善する」「理想の自分に近づかせる」ことは、薬局の力だけでは達成できません。薬局は患者さんのセルフメディケーションをサポートすることしかできません。
患者さん自身が、今の体調や生活習慣と向き合い、問題に気づいて変わっていくことが必要となります。漢方相談で様々な質問をすることで、今まで気づかなかった問題点に気付いていただくことを重要視しています。
生活習慣を含めて、患者さんに何かを強制することはありません(情報は提供します)。北風と太陽というお話がありますが、当店は「太陽」のようなサポートで、患者さんの行動を変えていくことを目指しています。
「家族」と思って漢方薬を提案する。
漢方薬に詳しい患者さんはごく一部です。表現は悪いですが、大して効果が期待できなくても、「高価な」薬をそれらしい売り文句で、たくさん販売することもできます(残念ながら世の中にはそのようなお店もあります)。
患者さん自身にとって漢方薬の価値は「効くかどうか」で決まります。高価な薬は貴重な材料を使っているだけで、必ずしも効果があるとは限りません。
また漢方薬は、一般的に薬味(配合される生薬の数)が増えるほど、長期間飲める反面、効果がぼやける(切れ味が悪くなる)、と言われています。
漢方薬は必ずしも、高いお金を払ってたくさん飲めばいいというわけではありません。
自分の家族には、「最もコストパフォーマンスが高く、できるだけ安全で、即効性があって、最大限の効果を期待できるであろう漢方薬」を勧めます。当店でご相談された方にも同じ考えでご提案をするよう努めています。
治療結果がすべて。
漢方薬は気休めで飲むものでも、お守り代わりでもありません。体調に合ったものをしっかりと選べば、必ず効果の実感が得られるものと考えています。
漢方薬を一定期間飲んでも効かないとすれば、よほど頑固な症状か、生活習慣などに大きな問題があるか、薬剤師の腕が足りない(漢方薬の選び方が間違えている)か、のいずれかです。
より良い漢方薬をご提案するため、日々研鑽を積んでいます。また、より良い提案につなげられるよう。漢方薬を実際にお飲みになられた患者さんの体調変化の実感をしっかりと伺うことを大切にしています。