月経痛はないのが「当たり前」
多くの女性が経験している月経痛。全くない方が少数派なので、「月経痛はあって当たり前」と世間では考えられているかもしれません。
別の症状で相談をしていても、月経のある女性のうち半数以上が生理痛をお持ちです。そもそも「症状があって当たり前」の状態なので、半ば諦め気味の方も多く見受けられます。
そのような方に「月経痛はないのが『普通』です。」とお話をすると驚かれます。
「痛み止めが必要な生理痛」は体調不良のサイン
中医学に携わっていると、「生理痛はないか、腰や下腹部に張った痛みが少しある程度が正常の範囲内」と考えます。
- 生理痛があり、痛み止めを使う場合がある。
- 出血に血の塊が混じっている。
生理の時にこのような症状があった場合、何らかの体調不良の現れと考え、詳しくお話を伺います。
体質により痛みの質やタイミングが変わる。
生理痛を考えるうえでまず伺うのが、痛みの強さと、痛みの強まる時期です。これだけでも多くのことが分かってきます。
痛みが強く、月経前から月経前半(1〜2日目)に痛むもの→多くは「実証」
何らかの原因(冷え、疲れ、ストレスなど)があり、気血の流れが悪くなっているため痛みが出るタイプです。
気血の流れを良くする生薬と、根本原因を取り除く生薬を合わせて使うと効果的です。
痛みがそれほど強くなく、生理の後半にかけて痛みが強まってくるもの→多くは「虚証」
必要に応じて痛みを取る生薬を使用する他、気血など不足している物質を補充するための漢方を使います。
実際には臨機応変に
実際には”実証”と”虚証”が入り混じった月経痛が多いため、臨機応変に漢方を使い分けるのが理想的です。
西洋薬と同じように月経中だけ漢方を使っていただくことも可能です。早いケースだと漢方を飲んでから、数分〜30分程度で効果が得られます。
理想を言えば、数周期続けて漢方を服用していただくことをお勧めします。状況により月経前後の数日間飲んでいただくだけでも変化が望める場合があります。
生理痛には他の部分に根本的な問題が隠れていることがあるため、体質改善を数周期続けることで改善を確実なものにしていきます。