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中医学でみるカラダ〜脾(ひ)〜

“脾(ひ)”とは何でしょうか?西洋医学的にも脾臓という臓器が存在しますが、中医学での”脾”は脾臓とは異なります。簡単に言えば胃腸と関連し、主に飲食物の消化吸収に関わる臓器です。五行説では「土」に該当します。

※”脾”が西洋医学的にどの臓器に該当するか、といったことには議論があるようですが、今回は中医学で一般的に言われている”脾”について記載します。

“脾”の特徴

湿気に弱い。

夏場になると胃腸の調子が悪くなる、冷たいものや脂っこいもの、甘いものを食べるとお腹を下す、などといった経験はありませんか?”脾”は湿気を嫌います。湿度の高い環境の他、消化の悪い食べ物、冷たいものなどは体の中に湿気を生むと考えられるため、”脾”に時としてダメージを与えます。

“脾”の仕事

“脾”の仕事は消化吸収だけではありません。胃腸の不調が意外なところの不調に結びついている場合があります。

飲食物を消化して、栄養に変える。

食べたものを栄養(気や津液)に変えて、身体が使えるようにする働きです。”脾”が弱ってくると、下痢や軟便となり、消化吸収がうまくいかないことで、「なかなか体重が増えない」「疲れやすい」などの症状が出てきます。

物質を上に引き上げる。

昇提(しょうてい)と言い、体内の栄養分などを上向きに動かす作用を担っています。脳に十分に血液が届く、内臓が定位置に留まっている(内臓下垂にならない)というのは”脾”の大切な仕事と考えられます。

止血作用を担う。

“脾”は血が血脈(血管のようなもの)から外に出ないよう、押し留める働きを担っています。「アザができやすい」「不正出血がある」「尿に血が混じる」などの症状が、胃腸の不調と関連しているケースがしばしばあります。

“脾”の病気

食欲不振、下痢、お腹の張りなど。身体の怠さ、立ちくらみ、出血傾向、などが現れることも。

上記「”脾”の仕事」でも触れましたが、”脾”の不調が起こるとまずは胃腸の症状が出ます。そのうえで出血や立ちくらみ、内臓下垂と言った症状が出てくることがあります。

脾の機能が低下すると、脾の苦手な「湿気」が台頭してくるので、むくむ、体が重だるく感じる、痰が絡むようになる、ニキビやイボができる、おりものが増える、といった多様な症状が出ることがあります。

脾の不調が慢性化する老化を早めることにもつながります。

“脾”の関係する部位

身体の肉づき、腕や脚、口や唇、唾液に関係。思考能力にも関係する。

“脾”は栄養の補充に関わるため、”脾”の力が強い方は、筋肉質で引き締まった体つきになってきます。痩せ形、体脂肪の多い方は”脾”の機能が不十分な場合があります。

また口の中や、口周りに症状が現れます。味覚障害、口のネバネバ感、唇の乾燥やひび割れなどと深い関係があると考えられています。

また”脾”は思考能力と深い関係があるとも言われています。お昼ご飯の後、仕事の能率が落ちて眠くなるのは”脾”と関係があるかもしれません。「筋トレをすると頭の回転が早まる」という話もありますが、これら”脾”の性質を考えると無視できませんね。

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