薬局のブログです。

今さら聞けない?漢方薬のメリット

今の時代、漢方薬局を経営している薬剤師は少数派です。

「どうして漢方なんてやろうと思ったの?」と同業者から聞かれることはよくあるのですが、答えは単純です。

漢方薬の持つパワーに魅力を感じたから

これに尽きます。今日は私が考える漢方薬の長所について、今一度ご紹介していきます。

漢方薬の強み

「漢方薬の良いところをできるだけたくさん挙げてください」と聞かれたら、相当な数を列挙できます。今回は特にお伝えしたい3点についてご紹介いたします。

① 西洋薬の苦手なことを解決できる

漢方薬をお勧めする第一の理由はこの点です。科学技術を駆使して作られた現代の薬(いわゆる西洋薬)で改善しない健康上の問題を、漢方薬が解決できる場合があります。

通常の医療で改善しなかった症状に悩む人が、漢方相談に訪れることは日常茶飯事です。この場合は大抵症状が複雑化しており難しいケースも多いのですが、時に驚くほどの効果を発揮します。

長年悩まされていた症状が漢方薬を飲み始めて数日〜数週間で改善してしまうことがあります。統計的に因果関係を証明することはできませんが、漢方薬の非常に面白いところです。

また、「不快な症状があるのに検査で異常がない」という場合にも漢方薬は頼りになります。

② 症状の根本からアプローチできる

症状が起きている「原因」に当たる部分を、中医学では「証」と呼びます。

症状に対する対症療法だけではなく、その根っこにある「証」の改善を狙って漢方薬を選ぶのが中医学の特徴です。

「根本原因」にアプローチすることで、一つの症状だけではなく心身全体の調子が改善することも期待できます。再発を防ぐという観点からも「証」の治療は有意義です。

③ セルフメディケーションの強い味方

漢方薬を不適切に使うと、重い副作用が出ることもあります(誤った治療=誤治とも言います)。

とはいえ漢方薬は比較的安全な部類の医薬品で、日頃のセルフケアにも適しています。

カゼをはじめとした身近な体調不良から、ハードワークの前の滋養強壮まで、家族で幅広く使えるのも漢方薬の魅力です。

漢方薬は「気休め」ではない

漢方薬の効果に関する「エビデンス」は不十分かもしれません。

ただ、現在広く使われている西洋薬のエビデンスが「限定的」であることも事実です。

漢方薬が数千年かけて進化しつつも淘汰されずに生き残ってきたことには、それなりの理由があるはずです。漢方薬を一笑に伏すのは簡単ですが、そのメリットにも今一度、目を向けてみてはいかがでしょうか。

関連記事

PAGE TOP