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中医学で見るカラダ〜肺〜

肺の役割は呼吸だけではありません。中医学で “肺” はどのような内臓と見られているでしょうか?できるだけ簡単にご説明します。

陰陽五行説のなかで”肺”は「金」と位置づけられています。「金」は「土」の中で作られ、結露によって「水」を生み出す、との考えがあります。

※西洋医学的観点と区別するため、中医学観点からの用語は” “で囲んでいます。

“肺” の特徴

とてもデリケート。病気になりやすい。

“肺” は五臓六腑のうち、一番上部にある臓器です。呼吸で常に外部の空気と接するため、寒暖差、病原体、アレルゲンなどの影響を最も受けやすい臓器です。風邪やアレルギーは大抵、”肺”の不調として始まります。

“肺”の仕事

“呼吸”して “気” を作り、”津液” と一緒に身体中に行き渡らせる。

肺は”呼吸”で空気を取り込むことにより、「気」を作ります。さらにその「気」を頭から足先まで、他の臓腑も含めて全身に行き渡らせるといった、シャワーのような働きを持ちます。「呼吸ができない=”気”が作れない & “気”が全身に行き渡らない」となるため、息ができないと死んでしまいます。また”気”の動きに異常が出ると、咳などの症状が現れます。

“津液”(水分)も全身に行き渡らせます。何らかの原因で水分を送れず、肺に水分が溜まってしまうと痰や鼻水、胸水などとなって溢れ出てきます。

“肺” の病気

咳、息切れ、鼻水、痰、上半身のむくみ、などの症状が現れる。

西洋医学の肺と同じく、”肺”の調子が悪くなると、咳、息切れ、喘息、呼吸困難など呼吸に関係する症状が出てきます。また水分の運行が乱れることで、鼻水、痰、むくみ(特に上半身)、尿が少ない、などの症状が出る場合もあります。

関係する部位

皮膚、汗腺、鼻、大腸、白目など

中医学に特徴的な考え方です。”肺” の力が弱いと皮膚のバリアが弱くなることにより蕁麻疹ができたり、汗をかきやすくなったりします。鼻水など、鼻の症状も”肺” と関係が深いです。

また”肺” は”大腸” と関わりが強く、”肺”の不調と便秘などの症状が一緒に現れることもしばしばあります。腸内細菌と、アトピーや喘息などの関係が現代科学でも注目されており、今後明らかになってくることも多いのではないでしょうか。

また白目は”肺”と関係するという学説もあります。アレルギーなどで白目が充血する、白目にむくみが現れるなどの場合は”肺”の症状と関連づけて考えると改善への糸口となることがあります。

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