生理前のこんな症状ありませんか?
- イライラする、わけもなく悲しくなる。
- むくみやすくなる。
- 乳房が張る(押すと痛むこともある)。
- 頭痛が起こる。
- 便秘または下痢が起こる。
- ニキビができやすくなる。
- 食欲が亢進して太りやすくなる。
- 眠気が強まる。
- 声が出しにくくなる、声が低くなる。
- 息苦しくなる、胸が詰まる感覚がある。
いずれも筆者が相談中に出会ったことのある症状です。月経3〜10日前から発症することが多く、月経が始まると何事もなかったかのように消失するのが特徴です。月経前症候群(PMS:premenstrul syndorom)と呼ばれています。
西洋医学的には症状に応じた対症療法の他、場合によりピルを用いた排卵抑制などが行われます。もちろん、漢方薬も有効です。
どの漢方を使えばいいの?
よく使われる漢方薬には、次のようなものがあります。
- 加味逍遥散
- 当帰芍薬散
- 桂枝茯苓丸
- 半夏厚朴湯
- 五苓散
- その他
これらの漢方は必要に応じて病院でも処方してもらえます。ただ、これらの効果が得られず当店でご相談される方がいらっしゃるのもまた事実です。
「なぜ」症状が起きているのかを考えることが大切。
月経前には気血が充実する。
月経前になると、体内の”気血”が充実してきます。気血が増えることに対応できるよう、身体自体もその準備を始めます。
ところが”気血”の充実が想定を上回ったり、生活習慣やストレスなどの影響が加わり、”気血”の動きが滞るようになってしまうと様々なPMSの症状が現れると考えます。逆に”気血”の充実が想定を下回った時も身体がついていけず、症状が現れます。
月経はお祭りと一緒?
生理周期をお祭りに例えてみます。
祭(月経または妊娠)が近づくと、人々が集まり、街が活気づいてきます。祭りになると街に人が増えるので、交通規制などの準備をします。お店も来客に備えて様々な準備をします。(高温期)
適度に人が来れば良いのですが、想定を上回る人(気血)が来てしまうと、人々の身動きが取れなくなったり、最悪の場合、事故が起こります。これが”気血などの滞り”による”実証型”のPMSです。
逆に人出が想定を大きく下回ると、お店の収入が減るだけではなく、在庫も大量に余ってしまいます。地域の経済にダメージとなります。これが”気血などの不足”による虚証型のPMSです。
祭(月経)が終われば何事もなかったかのように普段の生活に戻ります(低温期)。後片付けさえしてしまえば来年の祭まで目立った問題(PMS)は起こりません。
今のうちに計画を練り直し、準備をしていけば来年の祭では問題が防げるかもしれません。PMSに向けた体質改善も一緒で、大きな症状がない時の準備が大切になってきます。
普段の体調に向き合うことが大切。
これら”気血”の状態、身体の準備の状態がどうなっているのかは、生活習慣や普段の体質・体調を振り返ることで分かってきます。PMSの症状だけではなく、体質の問題点に焦点を当てた対策をしていくことが大切です。
「とりあえず有名どころの漢方薬を使ってみる」のも手軽で良いですが、体質と向き合うことで、ぴったり合った漢方薬に出会えるかもしれません。