漢方治療の出口戦略?

店主のひとりごと

薬局の漢方薬はとても高価だ。

(実のところ、毎月の健康保険料や医療費の10割分を考えればそれほどではないのだが…)

高価な漢方薬を長期に渡ってたくさん飲んでいただくと経営的には非常に助かるが、自分の家族にやりたくないことはお客様にも決してやらないと決めている。

最終的には漢方を卒業するか、必要最低限の量まで絞って継続してもらう方向に進めていくことが多い。お客さまの希望を確認しながら、ケースバイケースで対応している。

漢方を止めても症状が再発してこないのは

  1. 症状が消えて、その症状の原因となるものが取り除かれている状態(精神的ストレスの元、食生活や生活環境など)
  2. 生活環境などで心身への負担は続いているが症状は消えており、ストレスに耐えうる正気が満たされ、維持できる見通しが立っている場合

の少なくともどちらかを満たした場合だと考えている。

漢方に頼らなくてもよいほど生活環境や考え方が変わるか、多少の無理をものともしないくらい元気になった場合のどちらかである。

漢方薬でストレス耐性を一時的に高めたり、身体の掃除をして臓腑のバランスを整えて正気の活動を高めることはできる。ただ、体調不良の原因となっている生活環境や物事の受け止め方が多少なりとも変えられないと、漢方薬から離れるのはそう簡単ではない。

「これからどう生きるのか」を問うていただくことも、出口を考える上では必要になってくる。

逆に、あえて苦しい道を選び、漢方薬に頼りながら理想に近づくことだってできる。

どういうスタンスで漢方薬を活用したいかを、日々の相談の中で少しずつでも明確にし、お客さまと共有できていきたいと常に思っている。