不眠と漢方

その他のお悩み

平成30年国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、日本人の5人に1人が「睡眠で休養が十分にとれていない」ということが分かっています。この割合は年々増加傾向にあり、今後の改善が課題とされています。

多忙で睡眠時間が取れない場合もあるでしょう。生活環境を整えていくことは最低限必要です。

眠れない≠不眠症

日中のパフォーマンス改善が目標

「不眠症」の診断基準の1つに「不眠と関連した日中の機能障害」というものがあります。

日中の疲労感、集中力の低下、精神的症状(不安感、イライラ感など)、実際の生活への悪影響などが認められた時に、不眠症と診断されることがあります。

たとえ睡眠時間が短くても、日中のパフォーマンスに影響が出ていなければ、基本的に不眠症とは診断されません。

不眠治療の目標は、あくまで「日中のパフォーマンスを正常化すること」だということを忘れないようにしましょう。睡眠を取ること自体が目標になってはいけません。

例え睡眠時間が短くても日中のパフォーマンスに影響がない場合、市販の睡眠改善薬や過量のアルコールに頼って無理に睡眠を長くしようとすることは、「百害あって一利なし」です。

不眠を治すだけではない漢方薬

漢方薬は不眠症の改善に有効です。効能に「不眠症」が記載されている漢方薬は数多くあります。

面白いのが、漢方薬は不眠だけでなく、他の症状の改善も同時に目指しているということです。睡眠の状態をピンポイントで治すことを目指してきた西洋薬との大きな違いといえるでしょう。

不眠症に用いる漢方処方には、疲労回復作用のある生薬、自律神経を調整する生薬、精神的な症状を改善する生薬などが一緒に配合されています。

ただ不眠症を治療するだけでなく、日中のパフォーマンス低下も同時に治療していけるのが、漢方薬の特長と言えるかもしれません。

不眠治療の最終目標は、「睡眠を改善すること」ではなく、「日中をどれだけ元気に過ごせるか」だということを考えれば、漢方薬はまさにうってつけと言えるのではないでしょうか。

一部の睡眠薬と異なり、漢方薬は依存性がない点もメリットです。

不眠の改善は元気な体づくりから

眠りの質が悪いと「もっとしっかり寝なくちゃ」と思って、余計に眠れなくなることがあります。不眠の治療に焦りは禁物です。

眠れない時には、それ以外にも何かしらの不調が起きているものです。まずは体調を全体的に見直して、昼間元気に活動できる体を目指すことをお勧めします。

起きている時間を心身ともに元気に過ごせれば、自然と良い睡眠がついてくるものと考えています。