「立ち仕事を続けていたら夕方に足がむくんでいた」、「飲み会の翌朝、起きると顔がむくんでいた」などと言った経験は誰にでも少なからずあるのではないでしょうか。
むくみは身近に起こりやすい一方、中には重い病気が隠れている場合があります。状況により病院で診察を受けた方が良い場合もありますが、今回はむくみが起こる、基本的なメカニズムをご紹介します。
むくみが起こる原因は大きく分けて二つ
浮腫みの原因には、心臓病、肝臓病、腎臓病、感染症など、様々な病気が挙げられます。今回は分かりやすさを重視して、むくみの種類を「洪水タイプ」「漏水タイプ」の2つに例えてご説明します。
「洪水」タイプのむくみ
体に入れた水分量が、排泄できる水分量を上回ってしまうタイプのむくみです。
原因には次のようなものが挙げられます。
- 腎臓の機能が低下する → 尿として水分を排泄できない。
- ホルモン分泌の異常 → 体内に水分を蓄積してしまう。
- 血液中の成分の異常 → 血液が水分を運べず、体内に溢れてしまう など
「漏水」タイプのむくみ
全身の水分量が多すぎない場合でも現れるタイプのむくみです。
毛細血管では血液中の水分が外にしみ出て、周りの細胞や組織を潤しています。
血管の外に出た水分は、毛細血管やリンパ管に、再び回収されます。
何らかの原因で、しみ出る水分量 >戻る水分量となった時、血管外に溢れた水分がむくみとなって現れます。
毛細血管中の血液の圧力が高まったり、毛細血管の外と中を繋ぐ「穴」が広がった時に、しみ出る水分量が増え、むくみとなります。
例えば、次のような原因によって起こります。
- 血流の問題 → 血管が狭くなる、心臓のポンプ機能が衰えるなどの原因で、血管内の圧力が部分的に高くなり、漏れ出る量が増える。
- アレルギー・炎症 → 毛細血管の血流が増える。血管壁の隙間が広がり、血液の漏れる量が増える。
- リンパ管の問題 → リンパ管が漏れ出た水分を処理しきれなくなる。 など
むくみには重い病気が隠れていることも
むくみのメカニズムは上の2種類にまとめられますが、背後には腎臓や心臓、肝臓の問題や、栄養失調、ホルモンバランスの乱れなど様々な原因が考えられます。急激にしかも強く発症したむくみ 、寝ても起きても1日中、長期間続くむくみなどには重大な病気が隠れている可能性があるので、まずはお医者さんに診察していただくことをお勧めします。
一方で、原因のわからないむくみも多く存在します。精神的ストレスや疲れ、女性ホルモンのバランスの乱れなどで起こるむくみがあることも事実です。
明らかな原因が見当たらない場合、東洋医学の考え方で対応してみるのも有意義な方法の一つです。