子宮筋腫の原因は?(中医学編)

子宮筋腫

前の記事では、科学論文の情報を織り交ぜ、西洋医学的な視点から子宮筋腫の原因について考察してみました。

今回は、中医学の観点から、子宮筋腫について解説していきます。

大昔からあった「子宮筋腫」

日本で言えば弥生時代頃に整理されたと言われる、中国最古の医学書『黄帝内経素問』には、”瘕”、”瘕聚”、”疝瘕”と言う用語がたくさん出てきます。

これらはお腹(子宮周辺)の腫瘍のことを指し、今でいう各種のがんや、子宮筋腫などが含まれていたと考えられています。このような「お腹の中のできもの」に対して、中国では長い間、治療法が考えられてきたようです。

原因は、”気血”の滞り?

(前略)

症状の違いもほとんどないうえに、治療法もほとんどが破血消瘀と温散行気の2種類に集約されている。

症例から学ぶ注意婦人科〜名医・朱小南の経験 柴崎英子訳 東洋学術出版社 より引用

上文の治療法、「破血消瘀」は”血”の巡りをよくすること、「温散行気」は、温めて”気”の巡りをよくすることです。

歴史が長いだけに、様々な説が立てられてきましたが、現在は、”気血”の流れが悪くなることで作られる→「老廃物」が積もり積もって大きく硬くなり、子宮筋腫ができると考えられることが多いようです。中医学では、体の巡りを改善して、老廃物を除去していく治療法が中心となっています。

「老廃物」って何だろう?

人体を作り、巡っている物質は”気・血・津液”です。これらの物質がきちんと働けなくなった時に”老廃物”に変化します。”気滞きたい“、”瘀血おけつ“、”痰飲たんいん“といったものが該当します。

筋腫をつくる、2つの「老廃物」

子宮筋腫は、「目に見える形のある物質」です。3つの老廃物のうち、”気滞”だけは、目に見えず形もありません。子宮筋腫を作っているのは、主に”瘀血”と”痰飲”だと考えられています。

この”瘀血おけつ“と”痰飲たんいん“を同時に除去していく代表的な漢方処方が、桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがんです。

積もり積もって大きくなる。

これらの老廃物は、私たちの身体にいつでも作られています。ストレスや過労、食事の不摂生などでも老廃物は発生します。

でも、すぐに子宮筋腫などの塊にはなりません。子宮筋腫は、これらの老廃物が長期に渡って積み重なった時に作られると考えられています。

「老廃物」を溜め込まないために

“気血”の巡りを良くすること

できてしまった子宮筋腫を小さくしていくのは大変ですが、原因となる”気血”の巡りを改善していくことは比較的簡単です。

気血の流れを悪くするものには次のようなものが挙げられます。

  • 冷え
  • 疲れ
  • 精神的ストレス
  • 食べ過ぎ
  • 食生活の乱れ
  • 運動不足 など

このような方はできるだけ避けて生活できると理想的です。現代人とは切っても切り離せないことばかりですが、過度になると心身に望ましくない影響が出るので、できるだけ意識して生活するようにしましょう。

“気血”の巡りを整えていくには、漢方薬の使用も効果的です。

西洋医学ともつじつまが合う?

西洋医学では女性ホルモンや人種、出産歴、家族歴などが子宮筋腫と関連していることを述べました。

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同時に、精神的なうつ状態が子宮筋腫のリスクを上げる可能性についても触れましたが、精神的な抑うつには、”気血”の流れが深く関わっています。精神的な不調が気血の流れを悪くして、子宮筋腫を発生させるという点では、西洋医学にも中医学にも、共通した部分があるのではないでしょうか。

精神的ストレスや生活習慣の乱れは、西洋医学的にも中医学的にも、ホルモンバランスの乱れにつながります。他の不調の原因にもなりますので、今一度、見直してみてはいかがでしょうか。