不妊治療の保険適用により制度の一部が変更、廃止となりました。令和5年6月現在の最新情報に基づき、利用できる制度を確認したうえで記事を更新しています。
令和4年4月より、一定条件のもと不妊治療が保険適用となりました。これにより負担が軽くなる方も多いことでしょう。自治体による助成金制度を併せて利用することで、経済的な負担をさらに抑えることができるのはご存知でしょうか。当薬局のある秩父地域の各市町村には、以下のような助成金制度があります。
自治体 | 助成金制度 | 対象となる医療費の概要 |
埼玉県 | 早期不妊検査費助成事業 不育症検査費助成事業 | 男女そろって受けた不妊検査費用 不育症のリスク因子特定のための検査 |
秩父市 | 不妊治療費助成事業(ゆりかご支援事業) | 医療保険適用外の医療費 |
横瀬町 | 不妊・不育治療費助成事業(マイ・エンゼル支援事業) | 不妊・不育症治療 |
皆野町 | 不妊治療費助成 | 保険適用の不妊治療 |
長瀞町 | 長瀞町不妊治療等支援事業 | 不妊治療または不育症治療の費用 |
小鹿野町 | マイベイビー支援事業 | 体外受精治療、顕微授精治療、その他不妊不育症治療 |
自治体により、制度を利用できる条件や上限金額が異なります。情勢により制度そのものが変更となることもありますので、お住まいの自治体の最新情報をご確認ください。
当ページでは、秩父市在住の方が利用できる助成金制度について、治療の段階ごとにまとめています。
〜注意〜 本記事は、筆者自身がホームページの情報や条例を元に解釈し、まとめたものです(令和5年6月更新)。 筆者は秩父市の関係者ではなく、当ブログも秩父市とは一切関係ありません。 解釈に誤りがある可能性もありますので、各種制度の利用を検討する際には担当の窓口に相談することをお勧めします。 ※当ブログの内容に誤りがあることに気づかれた際は、問い合わせフォームからご指摘いただけると嬉しいです。
秩父市在住の方が利用できる助成金制度
不妊検査
診断のための検査
早期不妊検査費・不育症検査費助成事業
検査にかかる自己負担額(1回あたり最大2万円,もしくは3万円)
令和5年4月1日から35歳未満の方の上限額が変更になりましたが、秩父市では予算措置が間に合わなかったため、年齢に関わらず上限2万円となっているとのことです(令和5年7月 秩父市に確認済)。
今後、県に準じて対応していくよう検討されているようです。
医師が不妊症の診断のために必要と認める検査、または不育症のリスク因子の検査が対象です。1組の夫婦につき、それぞれの検査に1回ずつ利用できます。健康保険と併用可能です。
申請時に法律上の婚姻をしている夫婦であること、夫婦の少なくとも一方が秩父市に住民登録をしていることが条件です。検査開始時に女性の年齢が43歳未満であることなども必要です。
35歳未満で対象の検査を開始した場合は、上限額が3万円に増加します(令和5年4月〜)。
夫婦揃って検査を受けていることが必要です(不育症検査は妻のみでも可)。不妊症検査の場合、夫のみ、妻のみが検査を受けた場合は対象外になる場合があるので、医療機関等にご相談いただくことをお勧めします。
不妊治療を始める場合、多くは検査が必要になることが想定されます。早めに知っておいて損はない助成金制度です。
原則として検査終了日が属する年度内に、秩父保健センターに申請が必要です。
不妊治療(保険適用)
「保険適用の治療」に利用できる助成金制度は、埼玉県および秩父市には無いようです。
女性が43歳未満で回数制限内の場合、卵管鏡下卵管形成術、人工授精、体外受精、顕微授精などが健康保険の対象となります。
治療過程における「診断のために必要な検査」が、助成金の対象となる可能性はあります。領収書は大切に保管しておきましょう。
不妊治療(保険適用外)
保険適用外の不妊治療は高額になる場合がありますが、秩父市では以下の助成金制度が利用できます。
不妊治療費助成事業(ゆりかご支援事業)
医療保険適用外の医療費(検査・治療・投薬料等)のうち1/2の金額、最大10万円※。
- 健康保険が適用されない先進医療等を受ける
- 女性が43歳以上の夫婦が治療を受ける
といったケースに該当する場合、こちらの制度が利用できるか確認してみましょう。
同一夫婦に対して年度あたり1回まで、生涯2回まで制度を利用できます。
ただし、夫婦で秩父市内に1年以上住民登録をしていること、市税を完納していることが必要です。
医療機関の指示に基づく治療が対象です。ご自身の判断で購入した漢方薬、医療機関の指示がない鍼灸等による治療は対象とならないようです。
不妊治療が保険適用になる前(令和4年まで)は埼玉県の埼玉県不妊治療費助成制度が併用できましたが、保険適用に伴い本制度は終了となっております。
制度の特徴一覧表
ここまでご紹介した助成金制度の主な内容を、表にまとめてみました。表に記載していない詳細条件もありますので詳細はリンク先や担当窓口にご確認ください。※最終更新:令和5年6月29日
※スマートフォンは横にすると見やすいです。
項目/制度 | 早期不妊検査費・不育症検査費助成事業 | 不妊治療費助成事業 (ゆりかご支援事業) |
---|---|---|
治療段階 | 不妊症の診断のための検査 不育症のリスク因子の検査 | 不妊治療(医療保険適用外) |
妻の年齢制限 | 43歳未満(検査開始時) | 制限なし |
助成回数 | 1組の夫婦につき1回まで (不妊症・不育症それぞれ) | 1組の夫婦につき 年度内1回、生涯2回まで |
1回あたり助成額 | 対象検査の開始時の年齢が 35歳未満:上限3万円 35歳以上:最大2万円 | 自己負担額の1/2 最大10万円 |
健康保険 | 併用可 | 併用不可 |
婚姻要件 | 法律上の婚姻(申請時) いわゆる事実婚も可 | 夫婦のみ |
住民要件 | 秩父市に住民登録がある (夫婦の片方でも可) | 秩父市に1年以上住民登録がある |
対象の医療機関 | 要件なし | 指定なし |
注意事項 | 夫婦両方の検査が必須 | |
申請窓口 | 秩父保健センター | 秩父保健センター |
詳細リンク | 埼玉県 秩父市 | 秩父市 |
終わりに
全体像を知ったうえで、個別にプランを考えることが大切
不妊治療の保険適用に伴い、不妊治療の医療費助成制度が整理され、以前よりも分かりやすくなった印象です。年齢制限などもあるため、どの段階でどの制度が使えるのかをあらかじめ知っておくと、治療計画を見通すうえでの指標になるはずです。
本記事を読んでいただいた皆様の妊活、不妊治療が納得のいく形で進むことを、心から応援しております。